Kepma 五度圏 · Circle of Fifths
五度圏は調号と調のつながりを整理する図です。円の調を選ぶと音階と和音を表示し、音を確認できます。
五度圏のインタラクティブ表示
外側 = 長調、内側 = 平行調(関係短調)。隣り合う調は完全五度(時計回り)離れていて、調号はシャープ/フラットが1つ違うだけです。クリックしてみてください。
五度圏とは何でしょうか?
五度圏(Circle of Fifths)は、12の音を完全五度の関係で次々につなぎ、円形に並べたものです。C から始めて、時計回りに1つ進むごとに完全五度上がります:
C → G → D → A → E → B → F♯ → C♯ → A♭ → E♭ → B♭ → F → (C に戻る)
十二平均律では五度を12回進み、オクターブを換算すると同じピッチクラスに戻ります。周波数比3:2の純正五度を12回重ねると正確には閉じず、7オクターブより約23.46セント高くなります。
① なぜ「五度」はこれほど特別なのか?
平均律の完全五度は700セントで、周波数比は2^(7/12)です。純正五度の比は3:2、約701.96セントです。隣り合う長調は音階の6音を共有しますが、転調の自然さは和声や声部進行にも左右されます。
② 調号の法則:シャープは時計回り、フラットは反時計回り
- 時計回りに1つ進むごとに、調号にシャープ ♯ が1つ増えます(C=0個 → G=1個 → D=2個…)
- 反時計回りに1つ進むごとに、調号にフラット ♭ が1つ増えます(C=0個 → F=1個 → B♭=2個…)
- 新しく加わるシャープの位置が新しい調の導音(第7音)、新しく加わるフラットは新しい調の第4音です。
③ シャープ/フラットの覚え方
シャープが付く順番:Fa Do Sol Re La Mi Si
(F C G D A E B、これ自体が五度圏の時計回りです!)
フラットが付く順番はちょうど逆:Si Mi La Re Sol Do Fa
(B E A D G C F)
④ 異名同音(Enharmonic)
円の下側(6時の位置)では G♭ = F♯、D♭ = C♯、C♭ = B です。音の高さは同じでも書き方が違い、どちらを使うかは調号が少なく読みやすい方で決めます。
⑤ 1枚の図ですべての調号を覚える
最初のタブに戻っていろいろな調をクリックすると、右側にその調号・スケール・和音がリアルタイムで表示されます。長調15と短調15の調号を一度に頭に入れられる、これが五度圏の最も実用的な点です。
💡 ひとことでまとめると
五度圏 = 調号の早見表 + 和音の関係図 + 転調のナビゲーションマップ、3つが1つに。使いこなせば、作曲・アドリブ・耳コピ・和声分析がすべてずっと速くなります。
実践での応用
五度圏は調号を覚えるためだけのものではありません。和声づくりのナビゲーターです。以下は最もよくある使い方で、進行をクリックすると聴けます。
応用1:隣同士は調和する、コード進行の「重力」
ルートが五度圏に沿って反時計回りに下がる動き(ルートが五度下行/四度上行)は西洋音楽で最も強い推進力で、「五度進行(サークル進行)」と呼ばれます。有名な ii–V–I は、まさに反時計回りに2歩続けた形です。
応用2:曲の「自然な和音」を見つける
どの長調でも、外側の円でその位置を取り、左に1つ・右に1つの長調と、それに対応する内側の3つの短調を加えれば、その曲で使われる和音のほとんどが揃います。例えば C 長調:
F (IV)C (I)G (V) + Dm (ii)Am (vi)Em (iii) = ポップスの和音の90%
応用3:転調の「踏み台」を見つける
- 近親調への転調:円の上の隣の調(C→G、C→F、C→Am など)へ移ると1音しか違わないので、最も滑らかで聴き手もほとんど気づきません。
- キーを全音上げると半音階の五度圏では時計回りに2歩進みます。半音上げる場合は時計回りに7歩、または反時計回りに5歩です。音楽的な効果はコードの配置や声部進行にも左右されます。
- 共通和音による転調:五度圏で2つの調が近いほど共有する和音が多く、「ピボットコード」を踏み台として見つけやすくなります。
応用4:調号の暗記と素早い耳コピ
楽譜にシャープが3つ?時計回りに3つ数えて=A 長調(または平行調の F♯ 短調)。フラットが4つ?反時計回りに4つ数えて=A♭ 長調。もう1つずつ考える必要はありません。
🎼 練習のヒント
毎日五度圏でスケール練習をするときは、時計回り(C-G-D-A…)の順に弾くと、「運指+調号+響き」をまとめて記憶できます。クラシックとジャズの奏者に共通の基礎練習です。
代表的な例の分析
例1 · カノン進行(Pachelbel’s Canon)
D長調のI–V–vi–iii–IV–I–IV–VはD–A–Bm–F♯m–G–D–G–Aです。ルートB→F♯は五度上行ですが、F♯→Gは半音です。進行全体が連続した五度移動というわけではありません。
例2 · ポップスの「万能4コード」1–5–6–4
C キー:C–G–Am–F。五度圏の上でこの4つの和音はすべて C の左右1つ以内に集まっているので、とても自然で耳なじみが良いのです。〈Let It Be〉〈With or Without You〉〈海闊天空〉など無数の曲で使われています。
例3 · ジャズの ii–V–I
C キー:Dm7–G7–Cmaj7。ルート D→G→C は五度圏で反時計回りに2歩続く動きで、ジャズ和声の「原子単位」です。ジャズ奏者は曲全体を ii–V–I の連なりに分解してアドリブします。
例4 · 自由落下するサークル進行
A短調のAm–Dm–G–C–F–B°–E–Amはダイアトニックな循環進行の例です。F→Bは完全五度ではなくトライトーンです。半音階の五度圏12か所を一周するのではなく、音階の7音を使っています。
例5 · 転調による感情の爆発
Michael Jackson〈Man in the Mirror〉、Beyoncé〈Love On Top〉(4回連続転調!)は、サビを繰り返すたびに調全体を時計回りに移し、上がるごとに感情が一段高まります。五度圏の「距離=緊張」の原理を最も直接的に商業利用した例です。
自分で曲を分析するには
- 曲の調を見つけます(調号を見る → 五度圏で位置を確認)。
- 和音を度数で表します(I, ii, iii, IV, V, vi, vii°)。
- 円の上でそれらの和音に印を付け、「固まっている」(ポップス)か「回っている」(ジャズ/クラシック)かを観察します。
- 円から外れた和音に注目しましょう。そこはたいてい転調や借用和音が光るポイントです。
このページのテキスト版
Kepma 五度圏 · Circle of Fifths
Kepma 五度圏はインタラクティブな音楽理論ツールです。12の調を完全五度の関係で円形に並べ、外側は長調、内側は平行調。隣り合う調は完全五度離れ、調号はシャープまたはフラットが1つ違うだけです。円の上の調をクリックすると、スケール・主和音・I–IV–V–I 終止を見て聴くことができます。
12の調と調号
| C | 平行調 Am | 調号なし |
|---|---|---|
| G | 平行調 Em | 調号 1♯ (F♯) |
| D | 平行調 Bm | 調号 2♯ (F♯ C♯) |
| A | 平行調 F♯m | 調号 3♯ (F♯ C♯ G♯) |
| E | 平行調 C♯m | 調号 4♯ (F♯ C♯ G♯ D♯) |
| B | 平行調 G♯m | 調号 5♯ (+ A♯)(異名同音調 C♭) |
| F♯ | 平行調 D♯m | 調号 6♯ / 6♭(異名同音調 G♭) |
| D♭ | 平行調 B♭m | 調号 5♭ (B E A D G)(異名同音調 C♯) |
| A♭ | 平行調 Fm | 調号 4♭ (B E A D) |
| E♭ | 平行調 Cm | 調号 3♭ (B E A) |
| B♭ | 平行調 Gm | 調号 2♭ (B E) |
| F | 平行調 Dm | 調号 1♭ (B♭) |
度数表記
I、ii、iii、IV、V、vi、vii°
よく使うコード進行
- ii – V – I(ジャズの核):Dm7 → G7 → Cmaj7、ルート D→G→C、反時計回りに2歩
- I – V – vi – IV(万能ポップス):C → G → Am → F、無数のヒット曲の骨格
- I – vi – IV – V(50年代進行):C → Am → F → G、〈Stand By Me〉など
- 五度進行(円を描く下降):Am→Dm→G→C→F、〈I Will Survive〉が一周する進行




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